竹島問題の歴史

30.12.07

1861年 - 金正浩「大東輿地圖」

Gerryの投稿の日本語訳です。原文はこちら↓(English)
1861 - Daedong Yeojido (大東輿地圖) - Ulleungdo

下に挙げたのは、金正浩「大東輿地図」(1861)に収録された鬱陵島の木版印刷地図です。この地図で興味深いのは、于山島が描かれていないことです。同じ製作者の靑邱圖」(1834)の鬱陵島図には描かれているのに、です。

1861 金正浩「大東輿地図」鬱陵島図 国会図書館版_1

次の地図は、上の金正浩「大東輿地図」(1861)の鬱陵島図を元に作成されたと見られるものですが、鬱陵島に関する情報と共に、于山島が書き加えられている事にお気づきでしょうか。金正浩が1861年の「大東輿地図」を1864年になって改定したとすれば、地図はその改訂版の写しになるのでしょう。
1861 金正浩「大東輿地図」鬱陵島図 国会図書館版_2

この地図の上部に書かれた文章は1834年の「靑邱圖」にも書かれています。

英宗十一年 江原監司趙最壽啓言 盃(鬱)陵島地廣土沃有人居田他而其西又有于山島 亦廣闊云則所謂西字與此各之在東相佐

英宗十一年(1735)江原道監司の趙最壽は国王への報告の際に「鬱陵島は土地が広く肥沃で住居や畑があります。その西の方に于山島があり、これもまた広く開けています。」と語っているが、いわゆる「西」の字は、(于山島が)この地図で東に位置しているのとは異なっている。

上の地図はLee Sang-tae氏の著作、「Historical Evidence of Korean Sovereignty over DOKDO」からの引用です。于山と記された島の下に、ご本人が "Usando (Dokdo)"と書き加えてあります。つまり、彼はこの隣接島が"独島" (竹島/Liancourt Rocks)であると主張しているわけです。しかしながらこの地図は、于山島を一つの島からなる島として描いており、この事からも于山島が"独島" (Liancourt Rocks)ではないことが分かります。"独島" (Liancourt Rocks)は鬱陵島の南東92kmに位置する、主な2つの島からなる島だからです。一つの島ではないのです。これは韓国の学者が盲目的に証拠を無視し、"于山島"が"独島" (Liancourt Rocks)の古名であると主張する、いつものパターンなのです。しかしながら、この地図が示しているように、これも又、于山島が鬱陵島の隣接島に過ぎない事を示しているのです。

(訳者注:地図中の注の現代語訳はYabutarouさんによるものです。)

4 comments:

  1. I wasn't perfectly sure if the script "英宗十一年 江原監司趙最壽啓言 盃(鬱)陵島地廣土沃有人居田他而其西又有于山島 亦廣闊云則所謂西字與此各之在東相佐" is correct or not. I hope someone will check my 漢文, thanks.

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  2. 日本語の投稿ですので、日本語でも書きます。

    "英宗十一年 江原監司趙最壽啓言 盃(鬱)陵島地廣土沃有人居田他而其西又有于山島 亦廣闊云則所謂西字與此各之在東相佐"が、よく読めていないので、間違いがある可能性があります。お気づきの方はご指摘下さい。

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  3. 「盃(鬱)陵島地廣土沃有人居田他」とあるのは「盃(鬱)陵島地廣土沃有人居田地」また「此各之在東相佐」は「此図之在東相佐」の間違いです。下の訳がよいでしょう。

    英宗十一年(1735)江原道監司の趙最壽は国王への報告の際に「鬱陵島は土地が広く肥沃で住居や畑があります。その西の方に于山島があり、これもまた広く開けています。」と語っているが、いわゆる「西」の字は、(于山島が)この地図で東に位置しているのとは異なっている。


     「住居や畑があります」とある部分は大抵「人が居住した形跡がある」と訳すことが多いですがこの文章のもととなっている備辺司謄録に「而聞鬱陵島, 廣闊土沃, 曾有人居基址, 或有往來之痕」とあるのを考えれば、多分本来「有人居田址」とすべきところを「有人居田地」と書き間違えたのだと思います。
    なので「住居や畑があります」の部分は「人が居住し畑を耕した形跡がある」にしたほうが当たり障りがないかもしれません。
                            

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  4. Yabutarouさん

    ご指摘ありがとうございました。早速訂正致しました。

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